サロンやスタジオの仕事を頑張っていて、売上もそこそこあるのに、
気づけばお金が残っていない…。
そんなモヤモヤを感じていませんか?
実はそれ、集客や売上の問題だけでなく、「節税の基本」を知らないことで損をしている可能性があります。
特に女性のサロン・スタジオ経営は、他の業種と比べると支出も多く、
さらに家計と事業のお金が混ざりやすい傾向があります。
そして、気づかないうちに計上していい経費がもれていたり、
正しい節税ができていなかったりすることが多くあります。
この記事では、サロン・スタジオ経営の女性が知っておくべき節税の基本と、今日からできる3つの実践ポイントをご紹介します。
無理なく、そして賢く、お金を残すためのヒントをお届けします。

なぜ節税が必要なの?
サロンやスタジオの仕事を始めて、やっと利益が出たと思ったら、
「突然税金の支払いが大きくなって、手元にほとんど残らない…」
そんな経験はありませんか?
これは、利益が上がるほど税金の負担も比例して増えるからです。
また、自営業の人が払う国民健康保険料も、利益の大きさによって増えてきます。
「せっかく利益が出たのに、税金や国民健康保険料の支払いが高くなって手元にお金が残らない」
という状況になりがちです。
自営業の人が節税が必要なのは、単に税金を減らすためだけではありません。
本当の目的は、大切な事業資金を未来のために残すことです。
例えば、
- 新しいマシンの導入資金
- 店舗のリニューアル費用
- スタッフ採用や教育のための資金
- 自分の老後や生活の安心資金
こういった「未来の投資」や「もしもの備え」にまわすお金を守るために、節税は欠かせません。
逆に、節税をせずにいると…
せっかく頑張って上げた利益の一部が、そのまま税金として消えてしまいます。
これは、お金の知識で防げるようになります。

起業女性ができる節税のキホン
起業女性ができる節税方法は、この2つです!
- 経費をもれなく計上する
- 〇〇控除をしっかり使う
①経費をもれなく計上する
サロンやスタジオ経営では、日常的に使うものの中に経費計上できるものがたくさんあります。
ただし「なんとなく」で経費にすると、税務調査で否認されるリスクもあるので注意が必要です。
💡経費として計上できる可能性がある例
- 備品・消耗品:タオル、ヨガマット、施術用オイル、消毒液、スリッパ、加湿器、空気清浄機
- 広告宣伝費:インスタ広告、LINE広告、ポータルサイト掲載料、ホームページ制作・更新費
- 研修費:技術向上のためのセミナー受講料、講師のレッスン代、美容・健康関連の資格取得費
- 水道光熱費・通信費:店舗やスタジオの電気代、冷暖房費、Wi-Fi、業務用携帯電話
- 衣装・ユニフォーム代:施術用ウェア、レッスンウェア、スタッフ用制服(仕事用に限る)
- 店舗関連費:観葉植物、BGM用スピーカー、アロマディフューザー、待合スペース用雑誌や書籍
💡ポイント
- 領収書やレシートは必ず保管し、事業用途が分かるようにメモを残す
- 事業用と私用は口座やカードを分ける
- 自宅兼店舗の場合は、面積や使用時間に応じて「家事按分」する(電気代・家賃など)

② 〇〇控除をフル活用する!
節税は「経費」だけではありません。
青色申告特別控除や生命保険料控除のような
〇〇控除を使いこなせば、
同じ売上でも税金の負担を大きく減らすことができます。
サロン・スタジオ経営で使いやすい控除の例
- 青色申告特別控除(最大65万円)
→ 正しく帳簿をつけて青色申告をすれば、売上が同じでも税額が大きく変わります。
会計ソフト(freeeやマネーフォワードなど)を使えば、難しい仕訳も簡単です。 - 社会保険料控除
自分の国民健康保険料や国民年金保険料はもちろん
大学生の子どもの国民年金保険料を払えば、大きな控除になります。 - 小規模企業共済(掛金全額控除)
→ 将来の退職金積立として使える制度。
毎月の掛金が全額経費扱いになるので、節税しながら老後資金も作れます。 - iDeCo(掛金全額控除)
→ 自分年金を作れる制度。投資信託や定期預金などから選べます。
美容や健康分野の仕事は長く続ける方が多く、老後資金準備にも最適。 - 生命保険料控除
→ 仕事に支障が出るリスク(病気・ケガ)に備える保険料も、条件により控除対象に。 - 扶養控除
→ 配偶者やお子さんを扶養している場合は、条件次第で所得税が減ります。
💡 ポイント
- 〇〇控除は「申告しないと使えない」ため、知らないままだと損します
- 年度末に慌てないよう、年の途中から掛金や加入を検討するのがベストです
やってはいけない節税(脱税になるかも)
節税は大切ですが、間違った方法やグレーなやり方は、
税務調査で指摘されるだけでなく、後から高い税金を払う羽目になってしまうこともあります。
サロン・スタジオ経営で特に注意したい「やってはいけない節税」を見てみましょう。

① 実際には使っていない経費を計上する
- 例:プライベートで使った化粧品や服を「仕事用」として全額経費にする
- 税務調査ではレシートの内容や使用用途まで確認されます
- 美容や施術に関する消耗品は経費になりますが、「仕事に必要だった」と説明できないものは避けましょう
② 家事按分の割合を不自然に高くする
- 例:自宅サロンで家賃や光熱費を8割以上経費に計上
- 税務署は使用面積や時間から計算根拠を見ます
- 「店舗スペースの広さ」「営業日数・時間」に応じた妥当な割合で按分することが大切です
③ 名義貸しや架空経費
- 例:友人の領収書をもらって経費計上する、存在しない講座の受講料を計上する
- これは完全にアウトです。悪質と判断されれば重加算税の対象になることもあります
④ 節税目的だけの過剰な設備投資
- 例:「税金で取られるくらいなら」と、必要以上に高額なエステ機器やピラティスマシンを購入
- 税金は減っても、手元のお金も減ってしまい資金繰りが悪化します
- 投資は節税だけでなく、売上やサービス向上につながるかで判断しましょう
関連記事:「経費はたくさん使った方が節税になる」は本当?実は危ないお金の使い方

正しく節税しなければお金は残らない
サロンやスタジオ経営者の中には、節税を意識しすぎて、必要以上に経費を使ってしまう方がいます。
例えば「税金で取られるくらいなら」と高額な機器や在庫を一気に買い込むと、税金は減っても手元のお金も減る結果に…。
節税はあくまで「お金を残すための手段」です。
税金が減っても、お金が残らなければ意味がありません。
節税は「正しい方法」で行ってこそ意味があります。
一時的に税金が減っても、ペナルティや資金ショートになれば本末転倒。
正しい知識を持って、安心して続けられる経営を目指しましょう。
