サロンやスタジオをやっていて、
「今月けっこう売れたのに、口座残高が増えてない…どうして?」ということ、ありませんか?
これ、もしかしたら、
「お預かりしているお金」を使ってしまっていることにあるかもしれません。
「お預かりしているお金」って?
お預かりしているお金とは
例えば…
- 回数券の販売
- 月謝制
- 年間パッケージ
- まとめ払いのプラン
サロンやスタジオでは、
お客様から先にお金をいただいて、あとでサービスを提供する流れですよね。
これが、「お預かりしているお金」です。
会計用語では「前受金」と言います。
例えば、
10回分の回数券を10万円で販売したとします。
お客様から10万円ドーンとお金をいただきます。
でも、この時点で施術はまだ1回もしていません。
この10万円、全部自由に使えるお金ではなくて、
これからお客様に施術やレッスンを提供するために預かっているお金なんです。
この仕組み、めちゃくちゃメリットがあります。
だって、キャッシュが先に入ってくるから。
資金繰りは一見ラクに見えるし、お客様のリピートも安定します。
でも、落とし穴もあるんです。
それは、サービスを提供するまでは売上じゃない!

「お預かりしているお金」を全部使うとどうなる?
1.生活費や備品に全部使ってしまった
繁忙期の売上に気分が上がって、必要経費や生活費に使ってしまい、後で資金不足
2.閑散期に資金不足
繁忙期に回数券を売り切った後は、しばらく現金が入らなくなり、家賃や水道光熱費などの固定費の支払いだけが続く。
3.急な返金に対応できない
こちらの都合でキャンセルすることになったり、何かしらの理由で返金するときに返すお金が手元にない。

「お金を残してから使う」が鉄則
1. 「お預かりしているお金」は別口座に移す
回数券や月謝で入ったお金は、とりあえず「お預かり金専用口座」に入れる。
そこから「サービスを1回提供するたびに」売上分をメイン口座へ移す。
こうすると、使いすぎ防止になります。
2. サービスを提供した分だけを自由に使う
たとえば10回中3回終わったら、「お預かりしているお金」の3回分を使う。
残りは「まだサービスをしていない分」だから「お預かり金専用口座」でキープ。
3. 税金分も先取りで積み立てる
利益が出たら税金も発生します。
使えるお金だと思って全部使ってしまうと、税金の支払い時に大変。
売上の20%を税金や健康保険料などの支払い用に残しておきましょう。
サロン・スタジオが知っておきたい節税方法についてはこちらのブログで書いています↓
4. 閑散期を見越してキープ
特に季節商売のサロンは、1年を通して資金の流れを把握。
「冬は暇になる」
「夏前は忙しい」などの
年間リズムを把握して、忙しい時期に入ったお金から閑散期用の資金を取っておく。

サービスを提供してから使う、の順番が大事
「お預かりしているお金」って、見た目は「お金がある」ように感じます。
でも実際には、まだサービスをしていない分は「使ってはいけないお金」。
だからこそ、
- 残す(サービス提供前のお金はキープ)
- 使う(サービス提供済み分だけ)
この順番が命です。
ちょっとした実践例
私の知っているサロンオーナーさんで、前受金管理がすごく上手な方がいます。
- 回数券の売上は、まず全額「預かり金専用口座」へ。
- 1回提供するたびに、単価分をメイン口座へ移動。
- その時に税金分も同時に別口座へ移す。
- 使えるのは「メイン口座に入った分」だけ。
このやり方にしてから、「繁忙期にドーンと入って、閑散期にゼロ」という恐怖がなくなったそうです。
しかも、税金の支払い時も慌てない。
精神的にもめちゃくちゃラクになります。
まとめ
- 先にいただいたお金は「お預かりしているお金」
- 全部自由に使えるわけじゃない
- サービスを提供した分だけ、自分のお金として使える
- 税金・閑散期対策も同時にしておくと安心。
サロン・スタジオ経営は、資金管理ひとつで安定感が変わります。
売上があってもお金が残らない…
そんな状況から抜け出すために、「残してから使う」を徹底してみてください。
